2012Jリーグ DIVISION1 第27節
2012年9月29日(土) 19:04キックオフ・国立競技場
柏レイソル 対 浦和レッズ
浦和が0-5の劇的敗戦をホームで喫してから、いかに立ち直るかが、
今日のゲームでひとつの大事なポイントでした。
どうして大事だからというと、優勝するためにです。
これまでの今季の浦和は、リーグ戦における連敗がありません。
そして、26節終了時には3位。
昨年、降格争いをしていたチームとは見違えるようです。
去年カナダ横断して帰ってきてから埼スタへ観に行ったジュビロ戦(0-3)の姿は、ないだろうと感じていました。
しかし降格圏にいるガンバに0-5という、ちょっと理解しがいたい負け方。
そこから強くなってこの1週間で戻ってくると信じていたものの、
その負け方が、残像やイメージとして昨年のジュビロ戦とも重なってみえるところもありました。
今日は、序盤から非常に激しいプレス。
これまでとは違う気持ちを感じたプレーが随所に見られました。
柏も非常にいいプレーがあり、ゲームとして見ごたえのある面白いものでした。
それでも浦和に勝って欲しいと思っていますから、どうしたら点が入るだろうと自分なり考えながらみます。
局面、局面。五分五分のボールの争いは、激しかった。
先制は柏。
コーナーキックから、押し込まれてしまった。
少し残念なかたちではありました。
「今季、柏も浦和も先制したら負けない」というデータが出されていました。
それが少し弱気にされますが、でも横浜ではアウェイで逆転した!という、確固たる実績がある。
やれるぞ!と思っていました。
浦和はサイドチェンジが非常に上手にできて、チャンスを作っていました。
それに、単純にセンタリングをあげない工夫もありました。
浦和の前線には高さがありません。
なので、クランダーのセンタリング、マイナスのボール、切り返して中に入っていく、などサイドでのプレーは平川、宇賀神ともに結構よかった。
同点弾も、平川のグランダーの(気持ちマイナス気味の)ボールから生まれました。
マルシオがトラップでディフェンスをうまくかわし、前を向いてシュート。
こぼれたところに梅崎が押し込む。(前半39分)
ゴール後、梅崎の2度のガッツポーズ。
それが今日の浦和の気持ちの強さを表していた気がします。
この同点弾の前に、前半27分に原口に代わってポポが入りました。
柏は浦和のくさびのボールをしっかり狙っていて、浦和の攻撃にリズムができなかった。
させてもらえてなかった場面がおおかった。
ポポが入り、動き回ることでギャップがいろんなところで生まれて攻撃のしやすくなったと思います。
交代直後の原口は、納得のいかない表情。
感情をあらわにしていました。
その後、同点になりハーフタイムを迎えましたが、ロッカールームではどうだったんでしょうか。
例えば原口が「よし、同点に追いついた。後半もいけるぞ!」と、積極的に選手に声をかけてくれるのかなぁ。と僕は期待してしまうんです。
選手として思い通りのプレーができず、ここからなんとか糸口を見つけていこうとした矢先に交代させられてしまっては、納得がいかないのは当たり前です。
しかし、原口にもっと成長して欲しい。
素晴らしい技術とセンスを持ち合わせているからこそ、精神面での成長を求めます。
実際はハーフタイムでどう振舞ったかはわかりませんが。
周りから信用集めるプレーヤーになって欲しいと僕は願っています。
後半も、ガチガチの展開。
お互いにチャンスがある。
浦和からすると、今日ボランチに入った柏木がゴール近いところでプレーする場面も何度も出てきていました。
柏も鋭い突破や、素早いカウンター。
浦和のGK加藤のスーパーセーブもありました。
一進一退の攻防。
選手交代というカードは柏が先に行なっていきました。
浦和は後半40分過ぎてから、2つ余っていた交代カードきった。
後半41分に先制点をあげた梅崎に代わり、矢島を投入。
浦和がシュートをうてば、直後に柏もシュート放つような展開。
どちらに転がってもおかしくない、流れ。
浦和のディフェンス陣も、疲れを見せます。
永田も足がつっている状態。
阿部も厳しいそう。
それでもゴール前の守備はリーグで最堅守の浦和は失点を許さない。
このままがっぷり四つで、引き分けかと思われた後半ロスタイム。
アディショナルタイムの表示は3分。
その中、時計は47:30を過ぎて、柏のチャンス。
フリーキックをジョルジワグネルが浦和ゴール前に蹴り込みます。
ゴール前の争い、柏のシュートは弱く、GK加藤がキャッチ。
加藤は猛然とペナルティーエリアぎりぎりまで助走をつけて、前線へ投げます(47:41)
前線では6分前に入った矢島が競り、柏ゴール方面へボールを落とします。
そのボールの処理に柏DFがつめる、後ろから猛然とポポが追う。
柏のGKも出てくる。
DFとGKの間のボールにわずかにポポの足が伸び、先に触り。
無人のゴールへ。
ゴールラインを割った瞬間の時計は(47:50)
劇的なゴール。
途中交代で、入った矢島もよく競り勝って落とした。
ポポも本当によく走った。
おそろく去年、同じカードならこのような場面は柏に転がったのではないでしょうか。
優勝した柏は昨年の今頃の集中力や気力が、浦和とは違った。
でも今年は、浦和の気持ちが強かった。
浦和が強くなった証拠。
ピッチだけでなく、ベンチもこうして抱き合っていたのは浦和が諦めていない。
優勝への強い気持ちを持った、はっきりとリーグ制覇を意識した証だと思います。
国立の「WE ARE REDS!!」のコールは、日本中に浦和サポーターに、
浦和の強さが戻ってきてるんだと伝えてくれたものだと感じました。
最後の最後、ポポのゴールは、勝ち点1から3にしただけでなく、
浦和をひとまわり成長させたゴールだったと感じるものでした。
ロスタイムのゴールシーンから試合終了までの映像