2012年10月29日月曜日

日経ヴェリタスのカナダドルの記事に違和感。


今日付けの日経ヴェリタス、カナダドルをポジティブに見る記事があった。


カナダは豪と環境が似てるのに金利面から日本人投資家には人気がない。
カナダドルロングはオージーより遥かに少ないという。

しかし、資源が豊富な事や財政面からオーストラリアとは似ているところが多いので、これから人気が出てきてもおかしくない。

シカゴIMMのポジションから、投機筋が対USドルのカナダロング(カナダドルの買い越し)は過去最高水準になっている。


と・・・、カナダドル買いが、日本の個人投資家にも増えていく可能性があること、推奨しているような内容だった。


これに対して僕は3点ほど違和感があった。


1つ目。
「シカゴIMMのポジション動向から見えると、投機筋にも買い越し過去最高水準」について。
最高水準ということはもうピークだってこと。これからさらに伸びていくことはない。
(記事書いた人はトレードやってない人だと思ってけど)

買い越している立場から考えてみると、これから先カナダドルが強くならなければ、少し手仕舞って利益を確定させようとする。そうすれば、買い越しは分は売られカナダドルは対USドルで売られやすい。

実際にIMMポジションは、ここ5週間頭打ちし、ジリジリとロングのポジションは減らしている。


2つ目。
シカゴIMMのポジション動向を理由にあげているのは、見ている時間軸が違う。
IMMポジションは、短期的に利益を取りにいく投機筋の動きである。
「資源や財政面と同じで・・・・」とは、ファンダメンタルな理由からであり、短期的なものではない。

実際1年前には、IMMポジションは売り越しだった。その間に、カナダが急に資源が溢れ出したわけでもなく、財政面が1年で劇的に変化するようなことは起こっていない。

3つ目。
豪ドルと資源・財政面から似ているから、カナダも強くなるだろうと理由はいささか無理がある。

オーストラリアが強い理由は、資源があることや財政の健全性だけでない。
 金融政策が柔軟であること。(中央銀行の姿勢とも言える)
 グローバルな視点で自らの立ち入りの分析を深く行なっていることがある。
中国経済はじめ、自国が世界経済の影響をどのように受けるか、を踏まえて金融政策をとる。世界経済を牽引する国と多く貿易をしている国ならではの性質がある。

貿易量の70%がアメリカという偏ったカナダとは全く違うのである。




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